2種類の目標設定

目標には2種類ある:「なりたい目標」と「なりたくない目標」

みなさんは「目標」と聞くとどういうことを思いつくでしょうか。「願望」「手に入れたいもの」「達成したいこと」「なりたい自分」などでしょうか。これらは全てそうなりたいという、「なりたい目標」ですね。

しかし一方「なりたくない目標」というのもあるのです。これはネガティブな状況を回避したい、そのためにはどうしたらいいかという目標の立て方です。

そう言われて改めて考えてみると、ずいぶんこちらの考え方をしていることに気づくのではないでしょうか。

例えば学生時代「テストで悪い点を取りたくない」「叱られたくない」から勉強するとか、社会に出てからは、「失業したくない、だから今の仕事をがんばる」など、誰にでも思い当たる例はあるかと思います。

ところが、願望を達成しようとするとき、「なりたくない」の方をばかりを意識していたとしたら、案外難しいものです。なぜなら、「なりたくない」の方法では「なる」「なった」状態の外側ばかりを狙っていることと同じで、なりたい方向へ向かって心が動いていかないからです。

親や周りの「なってほしい」と「ならないでほしい」がやる気に与える影響

これまで、何か「やりたい!」と言ったとき、周りの反応はどうだったでしょうか? これも案外、「そんなの無理だから止めておきなさい」だったり、「危ないから」「リスクが大きいから」と止められた、という方も多いのではないでしょうか。

この「止める」関わり方も、危ないことをしてほしくない、リスクを取らないでほしい、失敗しないでほしいといった、「なりたくない目標」の方に関わるものなのです。

いわば親心で、親だったら自分の子どもが失敗したり、ケガをしたりするよりは上手く行ってほしいと思うのではないでしょうか。

それがはじめは親心だったとしても、そうした態度ややり方、考え方は自分の中に取り込まれて存在し、機能し続けています。

一方、「なりたい」の方へ動く場合には、「がんばってね!」だったり、「何かあったら助けてあげるから」などの、サポートや応援をしてもらう必要が出てくるのではないでしょうか。すぐに達成できる目標でないとしたら、継続的なサポートも必要になってくることになります。

まずは「なりたい目標」を設定してみよう!

どちらの目標も悪いことではなく、自覚していなくても私たちの心はそのときの目標に向かって刻々と動いています。心臓がずっと動いているように、私たちの心もずっと働いていてくれるのです。「目標がない」と言っている人の場合、おそらく「なりたい目標」がないと言っているのではないでしょうか。それには、あまり考えてこなかったとか、考えて言ってみたけれど止められた、応援してもらえなかった、という経験も背後にあるのかもしれませんね。

もし、「なりたい目標」がないのなら、どんな小さな、くだらなく思えることでもいいので、とりあえず設定して様子を見てみるといいのではないでしょうか。失敗が怖いのであれば、失敗しても大して害のないことを選んでみるといいと思います。一方で、もし大きな「なりたい」に向かうのであれば、周囲の応援やサポートを得ていくことも不可欠になりそうです。ぜひ応援してくれる人を見つけてください。周りにいない……という人のためにはカウンセリングもおすすめです。

参考文献: E. T. Higgins (1997). Beyond pleasure and pain. American Psychologist, 52, (12), 1280-1300.

 

以上、cotree 2種類の目標設定方法:「なりたい目標」と「なりたくない目標」より引用