おばあさんとの出会い

 

「ツキを呼ぶ言葉」より

 

―おばあさんとの出会い

そうやって絶望的な気分で街に佇んでいた彼に、突然おばあさんが話しかけてきました。

「顔色が悪いわね・・・ 私に何かできることはない?」

彼は、宿がないことを伝えました。するとおばあさんは、「私の家に泊まりなさい」と言ってくれました。
五日市さんは、なんだか怪しいし、怖いな・・・と抵抗を感じました。
「もう一度宿を探してそれでもダメだったらお世話になります」ということにして、いったんおばあさんと別れました。

結局、宿が見つからなかった五日市さんは、おばあさんの自宅へ行くことにしました。
心なしか魔女が棲んでいるようなおどろおどろしい雰囲気の家です。
ドキドキしながらインターホンを押すと、待ってましたとばかり間髪いれずドアがあきました。五日市さんは、これにもギョッとしました。

一人暮らしのおばあさんは、見知らぬ異国の青年である五日市さんを歓迎し、温かいスープや食事をご馳走してくれました。

だんだんと五日市さんの心もくつろいできました。

「魔法の言葉」を伝授

おばあさんは、いろいろ話したあと最後に言いました。

「五日市さん、ツキっていうのは本当にあるのよ。そして簡単に手に入るの」

普段ならこういった話は興味がない五日市さんですが、絶望と不幸の味を嫌と言うほど味わった後でしたから聞く気になりました。

「どうすればいいんですか?」

「”魔法の言葉”を唱えれば誰にでも手に入るのよ」

五日市さんは、長い呪文でも教えてくれるのかと思い期待しました。
が、おばあさんが口にしたのは、

『ありがとう』
『感謝します』

という二つのありふれた言葉だったのです。

五日市さんはガックリしましたが、おばあさんは言葉を続けました。

「ありがとう」

「ありがとう」とは、何か嫌なことがあった時に使う言葉。「わぁ~、学校に遅刻する!」とか「会社に遅れる!」なんて時、イライラするでしょ。そんな時「イライラさせて頂き、ありがとう」と言うの。イヤなことが起こるとイヤなことを考えるでしょう。そうするとね、またイヤな事が起こるの。
不幸は重なるというけれど、それは間違いなくこの世の法則なのよ。だけどそこで「ありがとう」を言うと、その不幸の鎖が断ち切れちゃうのよ。それだけではなく、逆に良いことが起こっちゃうのよ

「嫌なこと、不幸なことがあったら、すぐに『ありがとう』って唱えるの。一時間後でも、次の日でもダメ。なるべくすばやく口にしないといけないのよ。そして、思うだけでなく、実際に口にしなければ魔法は効かないの」

「感謝します」

「感謝します」は、何か良いことがあった時に使う言葉。「明日晴れてほしいな」と思ったとき、次の日実際に晴れたら「晴れたことに感謝します」。

たとえば、まだ起こっていない未来のことでも、「明日、晴れました!晴れさせて頂き、感謝します」とか「一週間後、○○○に合格させて頂き、感謝します」と、イメージしながら言い切っちゃうと本当にそうなってしまうのよ。
自分にとって感謝できる事にだけ感謝していましたが、感謝を先にするから、その出来事が素晴らしいものに見えてくるということですね。

逆に、ツキが吹っ飛んでしまう絶対に言ってはいけない言葉があるそうです。

まずはね、汚い言葉。「てめ~」「死んじまえ」「バカヤロー」「クソッタレー」とかね。そういう汚い言葉を平気で使う人はね そういう人生を歩むのよ。だから、きれいな言葉をつかいなさい。

それとツキを逃がしたくなければ、絶対に人の悪口を言わないこと。自分ひとりで部屋にいる時さえも人の悪口を言ってはダメ。それに人を怒ってもツキは逃げていくわ。怒れば怒るほど、あなたが積み上げたツキがどんどんなくなっていくのよ。 だから、ネガティブな言葉はつかっちゃダメ。わかった?どんな言葉もね 魂があるのよ。

人は嫌なことが起きると、嫌なことばかり考えてしまい、その思考がまた嫌なことを呼ぶ。
その悪循環を断ち切り、好循環に切り替えるために、「ありがとう」を言うといいのだ。心から思っていなくも構わない、言葉が大事。とおばあさんは話してくれました。

「そして、いいことが起きたら『感謝します』と唱えるのよ。そうしたら、また感謝したくなる現象が起こるのよ」

良い出来事に感謝すると、さらに良い出来事を引き寄せる。
『感謝します』の応用編として、叶えたい願いを口にして「○○になれました、感謝します」というように、実現した気持ちを先取りするように唱えると、叶うと教えてくれました。

「あなたがこの魔法の言葉を忘れずにいたら、これから先の人生がガラリと変わるわ」

日本に帰った五日市さんは、おばあさんに教えてもらった魔法の言葉を実践しました。
それからの彼はまさにツキっぱなしになりました。
工学博士号を取得し、一流企業に就職。理想的な結婚相手にも巡りあう。独立事業も成功。そして現在、企業経営の傍ら、6社の研究顧問を務める研究者で、「書かずして」印税のはいる著名人になっています。

この「ツキを呼ぶ魔法の言葉」を呼んだ人々から、「営業成績がのびました」「宝くじにあたりました」というようなお礼の手紙が毎日くるそうです。

本当に、この魔法の言葉で、誰でも「ツキを呼べる」のです。

有り難うの意味

「自分のために何かしてくれて、それに対して感謝するから、ありがとう。これは違う。ありがとうって、漢字で書くと"有難う"-難がある、と書く。難があっても今、こうしていられる。小難で済んだことに対してありがとう、なんだ。」

以下、塾長より

ありがとう は 現実を受け止める ただひとつの方法 です。